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LDは悪くない

2005/12/19 00:18:57, Category: 3.AVC, Comment: 2

　昨日、念願の高画質機を手に入れた。もちろんネットオークションでの中古だが、Panasonic「LX-900」である。動作に不安があって安価な落札だったが、とりあえず手元では何とか動いている。その画質だが、やはりCLD-R5よりもかなり良い。CLD-7との差は、直接見比べていないのではっきりとはしないが、素人目でも僅差でより良いと分かるであろう。なにより、デジタルメモリー搭載で、CLVでの乱れのないサーチやスロー・スチルが可能になったことは大きい。
　これを機に、ＬＤを見返してみて、ふと気がついたことがある。それが表題の「LDは悪くない」。もちろん善悪じゃなくて、画質のことだ。つまり、規格としてのLDは、決してDVDに劣るものではないと言うこと（当方のホームシアター環境（液晶プロジェクターにSANYO「LP-Z3」を80inchで使用）で見る限り）。ソフトの出来によっては、パソコンからのRGB出力と見まごうような超高画質も可能なのだ。


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　これに気がついた素材は「ゴースト・イン・ザ・シェル（攻殻機動隊）」^※1。押井守監督作品として有名であるから、アニメファンなら知っている人も多いと思うが、実際のところ画質はあまり良くない。当方所有のLDは「PREMIUM BOX」というCAV記録の特別版なのだが、CLD-R5にしろLX-900にしろ、輪郭がややぼやけ気味で見づらいシーンが多いのだ。特にひどいのは、クライマックスの６課狙撃ヘリ内。暗くて赤いシーンなのだが、輪郭がつぶれてほとんど何がなんだか分からない。これはDVDによく見られる現象で、多くの圧縮方式（DVDはMPEG-2）が苦手とする配色（黒と赤）なのだ（DviXとかでもよく起こる現象だと思う）。LDは非圧縮なので、圧縮によるボケは出ないはずなのだが・・・もしかすると、このLDはDVD画像をそのままLDにしたものではないだろうか？（よほどLDはおまけ扱いなのか・・・）
　それはさておき、例えばエンドロールのスタッフリスト（黒背景に白文字）でもにじみが多数出る（「もののけ姫」以上にひどい）のは、一見、LDの限界かとも思えるのだが、サプライズはその後に来た。映像特典の「先行プロモーションビデオ」である。
　まずは文字。黒背景に白文字だが、全くと言って良いほどにじみがない。Ｓ端子だけでなく、コンポジットでLP-Z3に繋いだときも同様である。これにはたまげた。
　次にCG映像。オープニングと同じ、草薙素子のボディーが製造されるシーンが含まれているのだが、ここで出てくるCAD風のCG映像が、まるで「パソコンから直接LCDモニターに出している」様な高画質なのである。一瞬、目を疑い、本当にLDPに接続されているか確認したほどだ。
　これはどういうことだろう。DVDでもここまで高画質のものはめったにない。少なくとも、手持ちのDVDソフトを、パソコン（DVI端子→HDMI端子でLP-Z3に接続）で再生した限りでは思いつかない。うーむ、まさかこんなところでLDの底力を見ることになろうとは・・・。
　ちなみに、件のエンドロールであるが、これもやはり特典映像の「インターナショナルバージョン」エンドタイトルで見ると、黒背景に白文字でもにじみがだいぶ少なくなっている。これはもはや、LD制作時の問題と確信する。
　つまり、この攻殻機動隊のLDは、本編部分はDVDソースをそのまま使っており、しかもDVD作成時にあまり気合いを入れていない（おそらく映画用のフィルムソースを漫然とDVD化した）ものと推察される（エンドロールのにじみなどから推定）。いや、むしろ例の噂のように、市販されている映画などのソフトは、本家（ここでは例えば映画の興行収入）と差別化するために、意図的なデチューン（劣化・ぼかし）が施されているのではないか？。件の特典映像は、映画その他の売り上げに影響ないので、未チェック（未処理）のまま載せているのではないだろうか？。
　そうしてみると、既存のLDソフトが低画質だというのも頷ける。これらはみな、故意か過失かに関わらず、LDの能力より遙かに低いところで作成されているのだろう。確かにフィルムソースを高画質でLD化するのは大変だと思うが、１枚あたり数千円もするソフトを購入するのだから、いい加減な仕事はしてほしくない（昨今の激安DVDならいざしらず）。ハードウェア（LD規格）の性能は非常に高いのに、もったいないことだ。（もし故意に画質を落としているとしたら、これはもう訴訟ものであろう。）
　ちなみに、この攻殻機動隊「PREMIUM BOX」の映像特典「先行プロモーションビデオ」は、CLD-R5で見たときもかなりの高画質だった^※2。「え？これがCLD-R5の映像？」と疑うほど。もし同じソフトを持っている人は、是非自分のプレーヤーでも試してみて欲しい。本編の同シーンと比較すると、デチューン具合がよく分かると思う。

※１：実は同時期にPioneer「LG-1」も手に入れたので、たまたまこのソフトを試していたのだ。LG-1はLD-Gを再生するための外部機器。LD-Gとは字幕やグラフィックを隠しデータとして記録しておく規格で、ソフトによって記録されているものといないものがある（やはり字幕として使う洋画に多いようだ）。攻殻機動隊「PREMIUM BOX」では、デジタル音声に日本語、アナログ音声^※3に英語を記録しており、LD-Gは日本語字幕と英語字幕の2chを記録しているので、たとえば英語の方を聞きながら、日本語のLD-G字幕を見ると、また違った面白さがある。逆に同じ言語にしておけば、聞き取りにくいセリフもよく分かって便利かも。なお、プレーヤーによっては、LG-1などがなくてもLD-Gを再生できるものがある。逆にLG-1が使えないプレーヤーもあるので注意（少なくとも光デジタル音声出力がない機種は駄目）。ちなみにLX-900は対応情報がないが、実際接続してみたら普通に機能した。光デジタル音声出力があれば、だいたいどの機種でも大丈夫そうだ・・・が、保証は出来ないのであしからずｗ。しかし、LG-1はコンポジット入出力しかないのが痛い（Ｓ端子が使えない）。
※２：CLD-R5は廉価で低画質機と呼ばれるが、ソフトが高画質ならば、設置環境しだいで良い絵が出るように思う。当方では、水平に気を配り（ビー玉を転がしてラックの棚板を調整する）、上に簡単な重しを載せた（他の機器を載せる）程度だが、例のプロモーションビデオは結構高画質で見ることが出来た。ちなみに電源はたこ足ｗ。大トルクで回るモーターを内蔵しているのだから、本当は電源こそこだわるべきなのかも知れないが・・・機器が多すぎて無理。
※３：このアナログ音声を聞いていて、かなり音が良いのに気がついた。考えてみると、光ディスクでアナログ音声記録なんて、LD以外に無いんじゃなかろうか・・・もしかして、究極のアナログ音声記録？


Comment.1 by コヤテン at 2012/03/13 16:09:58

＞＞もしかして、究極のアナログ音声記録？ おそらくそれで正しいと思います。私は、LDの視聴にパイオニアLD-S1を使用していますが、LPレコードやW-VHS(ビクターHR-W5で視聴。SDモード、HDモード、VHS、S-VHSを含む。Hi-Fi音声、ノーマルモノラル音声を含む。)、コンパクトカセット、などと聴き比べた場合LD-S1が圧倒的に優れた音質を奏でてくれます。CDやSACD、Dv、DVD-video、DVD-VR、BD-video、HI-MD Audio、MD、とも聞き比べましたがやはりLD-S1のほうが自然で厚みのある音でした。



Comment.2 by ryujimiura at 2012/03/23 12:35:12

コメントありがとうございました。やはりLDは面白いですね。最近LX-900の調子が悪いのですが、なんとか使い続けていきたいと思います。



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