| LD/CDプレーヤー Panasonic LX-900 |
| 2005/12/28 02:28:18, Category: 3.AVC, Comment: 2 |
松下電器のレーザーディスク(LD)プレーヤー。コンパチ機なのでCDも再生できます。当然ながら絶版です。当時としては高級機に属するそうで、先に出た LX-1000 よりも型番的に下がりますが、性能的には上らしいです。かつて、VHD vs LD の所謂ビデオディスク競争において、松下は当初 VHD 陣営にいましたが、その後 LD 陣営に乗り換えました。よって同じ Panasonic 製で VHD プレーヤも存在します（中古購入時は注意）。逆に LD としては後発になるため、Panasonic 製の LD プレーヤは平均するとあまり古くない＆機能的に優れているようです。
この LX-900 は特に機能が充実していて、両面自動再生はもちろんのこと、特殊再生用のジョグ＆シャトルを本体・リモコンともに備えています。出力端子としては、コンポジット、S端子、RCAピンオーディオをいずれも２系統づつ装備。オーディオには光デジタル出力もあります（１系統）。デジタルメモリーを搭載して、CLVでもスローやスチルなどのトリックプレイを可能にしています。惜しむらくはAC-3出力端子がないことですが、噂では改造で増設できるらしいです（当方手持ちのソフトにAC-3作品がほとんどないので、個人的には不要ですが）。
当方の個体はネットオークションで落札させて頂いたものです。CDが認識出来ないトラブルがあると言うことでジャンク扱いになり、安価に譲って頂きました（ありがたい！）。手元に届いてみると、確かに認識関係が不安定でしたが*1、使いつづけるうちに安定してきました。
古い機種ですが、さすがに高級機らしく、画質はなかなかに優秀です。高画質で記録されたLDソフトであれば、DVDに引けを取らないでしょう*2。当方がこれまで使っていたCLD-R5とは、比べるまでも無く高画質です。特に解像感に優れ、例えれば LD に記録された画質を 90% 以上引き出している感じがします（ CLD-R5 は75%ぐらいか）。色の出方がパイオニア製と違うという話がありますが、当方で CLD-R5 と見比べた限りでは、違和感あるような差異は感じられませんでした。
一方で、デジタルメモリーを使う特殊再生（CLVのスローやスチル）はかなり低画質でした（ノーマルVHS並？）。メモリーの容量が少ないせいでしょうか？。アニメをじっくり見たい向きには、やや期待はずれ。まあ、CLVのサーチで画像が消えないだけでもありがたいですが・・・。
ちなみに、ネットの情報では、外部Y/C分離にするとかなりの高画質を狙えるという話でしたが、ダイレクトコンポジット出力かどうかは分かりません。当方の液晶プロジェクターLP-Z3で試した限りでは、Ｓ端子接続とほとんど差がなかったので、悪くはないと思います。ちなみに現在はコンポジットで LX-900 と LP-Z3 を直結しています（LDはやはりコンポジットが基本でしょうから*3）。一応、HV-S300（三菱電機の廉価S-VHSデッキ）の3D-Y/C分離も試してみましたが、ドットクロール？がかなり気になったので、現在は外しています（もっと高性能な3D-Y/C分離を使えば違うでしょうが、個人的には現状でも十分高画質です）。
外観はなかなか高級感があります。黒塗りのサイドウッド付き（取り外し不可）。インシュレータはおまけなので、交換すれば効果大かも。本体重量は10.2kgとまあまあですが、CLD-R5(6.4kg)と比べればだいぶ安定感があります。重りを載せればさらに効果がありそうですが、設置性に影響があるので、当方では特に試していません。また、再生時の動作音（ディスクの風切り音）はそれなりにありますが、よほど静かな映画でない限り、特に気になることはないでしょう。
オーディオには上述のように光デジタル出力がありますが、「MASH」と言う定評のある1bitD/A変換を持っているので、RCAピンによるアナログ出力も侮れません。当方では、サラウンドシステム(AVX-S20)の入力端子数不足の問題もあって、RCAピンケーブルでつないでいます。素人耳ですが、なかなかいい音だと思います（ただしAVX-S20はスピーカーが貧弱なので、自信を持っては言えませんが）。
リモコンはさすがに高機能機だけあってボタンが豊富。ちょっと操作に迷うかも知れません。ジョグ＆シャトルは、ややレスポンスが遅いので、直接本体のジョグ＆シャトルを操作することが多いです。また、多機能故、リモコンでしか操作できない（ボタンがない）機能があるのは仕方ないですが、逆に本体にしかないボタンがあるのはどうかと（ディスク取り出しボタンとかならまだ分かりますが、本機の場合ノイズリダクションボタンなので）。
総じて見ると、この機種はなかなか良いです。CLD-R5 レベルで LD を見ていて、現在の画質に不満のある方には、文句なくお勧めできます（新品でないのが唯一最大の難点ですが）。他の高級機とは比較していないので何とも言えませんが、少なくともアニメを見る向きには十分高性能と言えるでしょう（攻殻機動隊のプロモーション映像には度肝を抜かれた）。ただし、古い機種ゆえ、上述のようにトラブルが起きる可能性もありますので、中古購入時は注意が必要でしょう（ただでさえ手放されるのは長期間放置された機体でしょうから。ちなみに上記トラブルの原因はディスクスリップかもしれません。まあ、当方のように使い続けているウチに直ってくる可能性もありますが）。
*1:この認識問題は、当方においては、CDだけでなくLDでも発生。ディスクを入れても曲数が出ず、再生も出来ない状態がしばしば起きます。やむなく取り出そうとOPENボタンを押すと、今度は数分間（長いときは１０分以上）反応しないことがあります。それでも根気よく出し入れを繰り返せば、やがて認識して再生開始。ひとたび再生が始まれば、問題なく最後まで行きます。しかし、終わって取り出すときに、また長くかかったり、あるいはＢ面再生中にＡ面チャプターをサーチすると読み込めずに止まったりします。これもやはり認識問題に起因していると思われますが、なかなか大変ですｗ。もしかすると、これが噂に聞くディスクスリップかも知れません。ただしトラブルらしいトラブルはこれだけ。その後、根気よく使い続けて数週間、現在ではほとんどトラブルはなくなりました。長期間使われていなかったからかも。
*2:どうも前世紀の映画などでは、フィルムからビデオ信号に戻すのが難しいようで、高画質に記録されたものは少ないようです。スターウォーズ・エピソード１のように、比較的最近に公開された作品ならば、元がデジタルデータなので、DVDにするのもLDにするのも自在なのでしょうが・・・。一方で、元からビデオソースのもの（４：３サイズ）は、比較的高画質に記録されている可能性が高いです。TVアニメは予算の関係で元が良くないかも知れませんが、OVAはかなり期待できるでしょう。（やはりアニメ専用機か・・・というより、どだい映画館のフィルムに家庭用のテレビで勝とうというのが無謀か）
*3:LDはもともとコンポジット（輝度信号と色差信号をませた状態）で記録されているので、LDの信号を忠実に見るならば、コンポジットしかありません。
ただし、実際に映像を投影する機器（テレビやプロジェクター）では、輝度信号(Y)と色差信号(C)を分けた状態で処理しているので、どこかでY/C分離する必要があります。ならば、出力機器そのもので分離する方が、その機器独自のチューニングがされていて最適であろう、と言うのが持論です。（ただし、それなりの高級機で、こだわりを持ってコンポジット入力を持っている場合に限られますが・・・）
また、接続ケーブルで考えると、Ｓ端子よりもコンポジットの方が単純で、同額ならばより高性能に出来るはず、と言うのも理由の一つです。これは、Ｓ端子は輝度と色差の２本で接続しなければならないので、単純に考えれば２倍のコストがかかるからです（実際にはもう少し安いでしょうが）。また、コネクタ部分で考えると、RCAピンプラグの方が耐久性があり、大きな接触面積で接続抵抗を減らすことができる可能性があります（ただし、あくまで可能性です。下手な設計だと点接続になって、良く設計されたＳ端子に負けるでしょう。そういった意味で、やはり設計が良ければ、コンポーネント接続（RCAピン３本）はＤ端子に勝るでしょう）。
なお、これらコンポジット優位論はLDに限った話であり、もとからY/C分離で記録されているメディア（S-VHSなど）では、有無を言わさずＳ端子で接続するべきです（わざわざ混ぜても劣化するだけですから）。
ちなみに、Y/C分離は３次元が最高という定説がありますが、ことアニメに関しては絶対ではないようです。なぜなら、アニメはコマごとに大きく動くので、前後のフレームを参照する３次元処理ではゴーストのようなノイズ（ドットクロールなど）が出る可能性があるからです。そして何より、自分は画像（信号）のオリジナル性にこだわる方なので、変な3DY/C分離で加工された映像には興味がありません。にじみが見えても、それがオリジナルの信号と思えば気にならないのです。ですので、自分は今のところ2DY/C分離で十分です。（これは全く主観の問題であって、他の人に勧めるものではありません。）
| Comment.1 by 閻王 at 2007/05/10 20:21:42 |
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最近昔のLDを引っ張りだしてきて、DVDに移し替える作業をしはじめ、その際LDプレヤーが無い事に気づき急遽買い直す事になったのですが、Miuraさんのおかげで情報を摂取させていただき、本当にありがとうございました。
かなり参考になりました。つたない文章で申し訳ありませんが、一言お礼が言いたく書かせていただきました。
| Comment.2 by ryujimiura at 2007/05/11 08:19:34 |
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コメント大変ありがとうございます。当方の情報がお役に立てて何よりです。生来のさぼり癖のため、ブログの更新も滞りがちですが、LDやAV関係もぼちぼちとやっていきますので、今後ともよろしくお願いします。